学術集会会長挨拶

日本免疫学会の会員の皆様

会員の皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、本年2011年11月27日〜29日の3日間、千葉市の幕張メッセにて第40回日本免疫学会学術集会を開催することとなりました。昨年は、第14回国際免疫学会議が神戸市で開催されたことにより通常の学術集会が開催されなかったため、今回の開催が2年ぶりとなります。これまでと同様に最先端の研究者から学生までを含む様々な方々が集まれる開かれた学術集会にしたいと考えております。

近年の免疫学研究は、自然免疫と獲得免疫との相互作用とその制御機構の解明が急速に進む中で、感染症やアレルギー・自己免疫病などの治療に対する新しいアプローチが積極的に展開されています。また、イメージング技術の向上により、免疫応答の個体レベルでの理解が飛躍的に進んできています。このような状況の中で、本学術集会の国際シンポジウムでは、主に免疫記憶の成立と維持、自然免疫系と疾病、リンパ球の動態制御とイメージング、自己免疫疾患への応用的アプローチ、癌治療等に向けた新免疫療法などを企画しております。さらに、国際シンポジウムに呼応する形でレビュートークを設け、座長のお一人に講師をお願いし、その後の国際シンポジウムでの講演内容の理解を助けるようなレビューを日本語でしていただきます。そして、Late breaking talkを含めることにより、最新の話題も取り込んだシンポジウムにしたいと考えています。

お昼には関連分野セミナー、テクニカルセミナー、クリニカルセミナーも多数企画して、参加者の多様な興味に答えるとともに、基礎・臨床の両分野での最先端の研究成果の理解に役立てる企画を目指します。午後のワークショップでは、テーマごとに日頃の研究成果が発表され、質疑や討論の中から共同研究や研究の次へのステップの糧を得ていただければと思います。ワークショップの最後には、ポスター発表者による「1 minute presentation」を行った後、隣接するポスター会場に移動して、リラックスした雰囲気の中、引き続き参加者間で活発な討論を行っていただきます。このように皆様が積極的に参加していただける学術集会を目指します。本学術集会が、貴重な情報交換の場となり、そこから新しい知的交流や共同研究が生み出され、今後の研究の推進につながることを強く期待しています。

演題募集は5月10日(火)より開始される予定です。会員の皆様は勿論、現在は会員でない方も是非この機会にご参加頂き、世界をリードする日本の免疫学研究をより発展させるべく、特に若手の方に新風を吹き込んで頂きたいと願っております。今回は、千葉市での初開催となるばかりでなく、開催場所を限定して行なわれる日本免疫学会学術集会の第1回目となります。講演会場の幕張メッセでは、同時進行する4つの国際シンポジウムを同一フロアーで開催し、ポスター・展示会場を講演会場に隣接して設けるなど参加者の利便性に配慮した配置にしています。是非、世界一のスカイツリーをご覧になりながら、変貌著しい幕張新都心にいらして下さい。学会員の皆様の積極的な演題投稿をお待ちしております。

2011年2月
第40回日本免疫学会学術集会会長 徳久 剛史