第42回日本免疫学会学術集会

会長挨拶

日本免疫学会の会員の皆様

会員の皆様におかれましては、ご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、本年2013年12月11日〜13日の3日間、千葉市の幕張メッセにて第42回日本免疫学会学術集会を開催することとなりました。昨年度から開催地が幕張メッセと神戸国際会議場の2か所に固定され、学術集会のプログラム企画が益々重要となってきておりますが、昨年の第41回学術集会における、審良静男学術集会会長のすばらしい企画・運営を参考にさせていただき、本年も最先端の研究者から学生までを含む様々な方々が満足できる学術集会にしたいと考えております。

近年の免疫学研究は、これまで研究の中心であった分子・細胞の機能研究から、イメージング技術やバイオインフォマティクスを用いて、免疫細胞内での分子の網羅的解析や時間・空間的解析、さらには、組織・個体レベルでの免疫応答の理解に変化してきております。加えて、ヒトにおける免疫学の理解がますます重要視され、感染症やアレルギー・自己免疫病などの予防・治療に対する「Bench-to-Bed」そして「Bed-to-Bench」という双方向を意識し、また異分野を融合した新しいアプローチが積極的に求められております。このような状況の中で、本学術集会では、本学会が世界に向けて積み上げてきた先導的免疫学研究を基盤とするHuman Immunologyを意識した基礎と臨床の横断型研究をコンセプトとして、基礎免疫学の魅力とダイナミズム、ベッドサイドからみた免疫学、再生医学・医療における免疫学、そして粘膜免疫学・ワクチン学による健康維持・疾患克服への貢献、等を企画しております。

今回の第42回学術集会では、本学会の学術集会を通した国際的交流を強化するために、「National, but Open to All Over the World」というスローガンを掲げ、本学会が国内関連学会学術集会において先導的役割を果たしてきた学術集会の国際化について、さらなる前進を目指しております。その一環として、初めて公用語を英語とし、国内はもとより近隣のアジア諸国ならびに欧米から参加しやすい環境を作りました。また、シンポジウムでは真に国際化を反映する様に、米国免疫学会、ドイツ免疫学会、フランス免疫学会、中国免疫学会、韓国免疫学会、そしてシンガポール免疫学会との共催シンポジウムを計画しております。さらに、基礎研究からトランスレーショナル・リサーチをはじめとした臨床研究を紹介するBench to Bed Research (BBR) Seminar (旧称:クリニカルセミナー)、最新の免疫学研究に関連するテクノロジーを紹介するTechnical Seminar等を企画しております。学術集会で好評なオーバービュートーク(旧称:レビュートーク)を本年も取り入れ、その後の各シンポジウムでの講演内容の理解を助けるようなレビューをしていただく予定でおります。

午後のワークショップでは、テーマごとに選ばれた演題が英語で口頭発表されます。質疑や討論を通じて各研究の次へのアイデアへ繋げるのみならず、国内はもとより海外の研究者との共同研究にまで発展してほしいと思います。ワークショップ後はポスター会場に移動して、引き続き参加者間で活発な討論を行っていただきます。今回の新たな試みの一つとして、ポスター討論時にワイン&チーズ形式を導入し、会員、参加者の皆さんの熱のこもった討論、そしてさらなる交流・情報交換の場となることを期待しております。本学術集会が、最先端のグローバルな視点での熱い討論、自由で忌憚のない意見交換の出来る場となり、そこから新しい知的交流や共同研究が生み出され、今後の国際的研究の発展につながることを強く期待しています。

演題募集は5月31日(金)正午より開始される予定です。国内外を問わず、会員の皆様は勿論、現在は会員でない方も是非この機会にご参加頂き、世界をリードする日本の免疫学研究を肌で感じていただくとともに、さらなる発展のために、特に若手の方の積極的な参加と発表を期待しております。会場の幕張メッセからは、昨年完成した東京スカイツリーや東京ディズニーランドへのアクセスも容易です。学術集会にお越しの際には、国際的な免疫学の魅力と一緒に未だ変貌の著しい都心の風景を楽しんで頂ければと思います。学会員の皆様の積極的な演題投稿をお待ちしております。

2013年3月
第42回日本免疫学会学術集会会長  清野 宏